年明けの「茶茶の間季節のおすすめ茶」は当店の看板茶『秋津島』をご紹介いたします。
      
秋津島は茶園の栽培面積で七割を超える「やぶきた」という品種のお茶です。現在、一般的に緑茶といったときに想像する味と香りはやぶきたのものでしょう。そんな現代のスタンダードのお茶がどこまで美味しくなるのか、を追求して作られたお茶です。
      
茶葉に良い環境を求めて標高八〇〇メートルの高地で栽培されました。一年を通して風が抜けており、冬にはとても厳しい冷え込みがある土地です。
      
しっかりと撚られた茶葉からはとろりとした少し甘い香りがします。はじめは水で少し茶葉を目覚めさせてあげましょう。水をさすと、澄んだすがすがしい新緑の香り、その奥からずっしりとしたお出汁のような香りが広がります。
茶葉の深い緑は水を吸って、少しずつ明るい緑色、茶畑の色へと戻っていきます。ふたつに分かれていた香りが一つにまとまって、濃厚なお茶の香りが立ち上がってきたら淹れごろです。
茶葉もふっくらと膨らんで、鮮やかな緑色になっていることでしょう。お茶の味わいを損なわないように、お湯をさしてサッとお茶を出します。
      
はじめはツンと立つ控えめな香ばしい香り、火香があります。口に含むとハーブのような爽やかな香りがスッと抜け、そのあとからナッツを思わせる香ばしい甘みが広がります。甘味の奥からは軽やかな渋みが出てきて、口の中にいつまでも余韻を残します。鼻に抜けるような甘い余韻はマスカットの香りを思わせ、頭の後ろのほうに抜けていつまでも響きます。
      
まるで自分の体が香杯になったように、奥から奥から香りがあふれ出してきます。とても満たされるような、ホッとする安心
感に包み込まれます。
しっかりとした鋭いキレのある渋みもありますが、舌に残ることはなくサッと流れて口内に心地よい風を呼び込みます。スッキリとしていてもしっかりとした旨味もあるので、色々な淹れ方で味わいを楽しむことができます。
      
すべてが今までに知っているお茶の味わいや香りであるのに、洗練された上質な味わいを楽しめます。
それでいてまだまだ知らない味わいを隠しているような、どこまでも尽きない奥行きを感じさせてくれるお茶です。
      
この時期は年を越えて茶葉の味わいが落ち着いて、お茶が淹れやすくなる季節でもあります。冬の乾燥して締まった空気の中で淹れるお茶は、他の季節よりもゆっくりと開くので色々な味わいを楽しめます。
      
その希少性とかかっている手間から値段も高価になり、自分で淹れるのには少し身構えてしまうお茶ですが、最高級のお茶を淹れるというのはひとつのとても楽しい経験です。
      
自然と人とが丹精込めて作ったお茶を自分で淹れて、そしてあじわう。
そのお茶の歴史の最後に参加して一部になることを通して、お茶が自分の表現の可能性を広げてくれます。
      
秋津島を淹れるときはとても緊張しますが、他のお茶を淹れるときに参考になる経験になります。
色々なお茶を淹れることがより楽しめるようになるでしょう。
      
お茶を淹れる美味しいひとときを味わってみてください。
      
      
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秋津島 Akitsushima
     
・品種 :やぶきた
・採取 :手摘み
・生産地:静岡市葵区
・製法 :蒸し
      
◇単一農園単一品種
◇singuleorigin
      
店内提供1600円
茶葉50g4200円 *価格は税別
 
秋津島の詳細はHPより↓
http://chachanoma.com/tea/akitsushima/
 
     
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