現在茶茶の間では店頭にて「春のお茶」をご紹介中です。
 

      
それぞれのお茶をイメージする色に例えて
      
      
(春のお茶 2019 CHACHANOMA)冊子より
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それぞれのお茶には色があります。
          
内的なものなので茶茶の間の日本茶ソムリエでも意見が相違する時がありますが、あるお茶を考えたときにそのお茶の風景や色が思い浮かぶことがあります。
それはお茶の香りや味わいからくるもので、お茶を選ぶ際もそのイメージから考え始めます。
      
春の華やぎを感じる軽やかな撫子色のふたつのお茶、小春日和の陽気を感じるきりりと締まった透き通った淡い浅葱色のお茶、芽吹きの気配を感じる爽やかな青磁色の4種類のお茶をご紹介いたします。
      
 
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撫子色のお茶 「桜薫」「さくらかほり」
 

      
茶茶の間では同じ名前で漢字とひらがなの二種類あるお茶がいくつかあります。
これは品種が同じですが、産地、生産者が違うものです。
それぞれのお茶を味わっていただくことで品種の特徴を楽しんでいただけると考えております。
今回ご紹介するのは静7132という品種のお茶です。
 

      
桜葉の芳香成分と同じものを茶葉の中に作るお茶なのでお菓子のような香りを楽しむことができます。
桜をイメージさせる香りですが、桜色とならないのはお茶の味わいのせいでしょうか。
どちらのお茶もしっかりとした味わいがあり、少し濃いめの色を描きます。
 

      
「桜薫」は静岡の山あいの産地、俵峰で作られたとても上手に仕上げられたお茶です。
これは畑の育成から摘み取り、お茶にしていく工程の技術がとても高いからできるものです。
テリのあるキリリと締まった茶葉の姿からは凛とした美しさを感じます。
静7132の香り成分は茎の部分に多く含まれるのですが、香りを引き出すのはとても難しく、
なかなか香り高いお茶にはなりません。お茶づくりを知り尽くした技術で拠られた茶葉は品種由来の優しい香りと、
旨味のある味わいが引き出されています。色々な方法で楽しむことが出来るお茶で、
淹れかたを変えるだけで濃厚な味わいから繊細な甘い雰囲気まで様々な表情を見せてくれます。
少し上品な気の強い撫子色といった感じでしょうか。
 

      
「さくらかおり」はひとつの地域の静7132を集めたお茶です。
ひとつの畑のお茶ではないので当店ではシングルオリジンとは言っておりません。
漢字の桜薫との一番の違いは水色でしょうか。少し茶葉が崩れているために少しだけ濁りがあります。
その代わりに旨味と香りはしっかりと立ちます。香りの立ち方も異なり、「桜薫」が抜けるような香りであるなら、
こちらは少しこもるような水気を帯びた香りがします。全体的に桜薫よりも柔らかい甘い印象のお茶です。
香りの広がりはすこし劣りますが、味わいはしっかりとあるお茶です。
かわいらしい少し淡い、幼い撫子色という雰囲気のお茶です。
 

      
同じ品種でも産地、生産者で茶葉の形状も、味わいも大きく異なります。まるで性格が異なる姉妹のようです。
      
桜を眺めながら飲み比べてみても面白いですし、桜のスイーツに合わせても楽しめるお茶たちです。
 
     
      
      
「桜薫」https://chachanoma.com/tea/sakurakaori/
      
「さくらかほり」https://chachanoma.com/tea/sakurakaori-2/
      
      
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YAMAGUCHI