朱泥
〜技術を魅せる土〜
 
朱泥はきめが細かく扱いが非常に難しい土で、ごまかしがきかないと言われます。
 
それは逆に朱泥は雪堂さんの仕事の細やかさや技術の高さが最も活かせる土である、とも言えます。
 
鉄分を多く含む朱泥の土は、焼き方や仕上げを変えることで様々な姿になります。
今回はさまざまな朱泥の表情を楽しんでいただこうと、朱泥の土だけを使って急須を作っていただきました。
 

 
常滑の代名詞ともいえる朱泥の色はかつてどの家庭にもあった急須をおもいおこさせ、優しい懐かしさを感じさせます。
朱泥の急須は使いこむことで色艶が濃くなり、しっとりとした人肌を思わせるような質感になります。
自分が淹れたお茶によって育っていく愉しみがある急須です。
 
朱泥の急須をもみ殻や炭などで燻して焼くことで、深みのある黒急須になります。
同じ形でもシルエットがより強調されるので、シャープな印象になり現代的な風景にも違和感がありません。
黒の地肌に茶葉の緑色もとてもよく映えるので、茶葉の美しさも楽しむことができます。
 

 
そして、黒急須をもう一度焼くことで窯変の急須ができます。
何度も炎にかけることで朱泥を原料にした急須は趣豊かな幅広い表情を持つようになります。
これは窯の火による変化で、思い通りの仕上がりにはならない偶然の一品です。
磨きをかけた上に窯変をかけることを繰り返すことで完成する水面のような仕上がりは、雪堂さん以外ではできない丁寧な仕事の結果です。
 
朱泥の土が職人の手にかかって見せる様々な表情、可能性をお楽しみください。
 
 
「雪堂急須展」冊子「SETSUDO × CHACHANOMA」より
 
 
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「雪堂急須展」冊子
「SETSUDO × CHACHANOMA」
 
_ご挨拶
_ご紹介
_淹れ手から見た雪堂さんの急須
_雪堂さんの急須
_朱泥 ~技術を魅せる土~
_茶こしの「用」 ~手作業の極~
_重量「感」 ~重さの感覚~
_仕上げの「美」 ~技術の到る場所~
 
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